2021年に開催された「東京2020オリンピック」を、皆さんはご覧になりましたか?
まさかの延期決定から一年。ニュースでオリンピックの話題を見ない日はありませんでした。
その後、史上初の無観客開催が決まり、テレビの前でスタンバイして開会式を見届けた人も多いはず!
しかし、その裏側で、残念ながらオリンピック参加を見送った国もありました。
- 不参加国はあるのか
- 不参加の理由は何か
- パラリンピックにも不参加国はあったのか
今回の記事では、不参加国にピントを当てて、オリンピックを別視点から検証してみました。
そもそもオリンピックってどんなものか、豆知識も加えてわかりやすく書いてみました!
これまでこの話題に興味がなかった人も楽しめる記事になっているので、ぜひ最後まで読んでみてください♪
オリンピックの不参加国は2020年にもあった
今回の東京2020オリンピック不参加国は、最終的に北朝鮮1国のみとなりました。
調べてみて分かったのですが、不参加にも種類があり、「国として」「チームとして」「個人として」の不参加と、3つに分かれるようです。
実際に東京2020オリンピックでは、下記の国やチーム、個人選手が不参加となりました。
国として不参加だったのは、北朝鮮1国のみです。
2021年4月には既に不参加の意思を発表し、6月に承認されました。
北朝鮮がオリンピックに不参加だったのは、1984年のロサンゼルス大会、1988年ソウル大会以来3回目のこと。
今回は不参加理由を「選手の健康を守るため」と発表しています。
チームとして不参加だったのは、飛び込み、陸上リレー、野球の3種目から、合わせて9ヶ国でした。
どのチームも、「選手の健康を守るため」を主な理由に、参加を断念しています。
種目ごとの不参加国内訳は、下記の通りです。
- 飛び込み…オーストラリア
- 野球…中国、台湾、オーストラリア
- 陸上リレー…アメリカ、カナダ、ジャマイカ、オーストラリア、トリニダードトバゴ
個人として不参加だった選手も、男子ゴルフや障害馬術などの競技から複数名いました。
東京2020オリンピックでは、メダル候補の選手も不参加となっており、結果が予測不可能な試合も多くありました。
その中でも私が特に気になったのは、女子テニスのセリーナウィリアムズ選手です。
グランドスラムとは、そのスポーツの主要な大会に全て勝つということです。
テニスだと、全豪オープン、全仏オープン、全英オープン(ウィンブルドン)、全米オープンの4大会を制覇することを表します。
大会の中身はよく知らなくても、ニュースなどで一度は耳にしたことのある有名な大会ばかりです!
そんなグランドスラムを何度も達成している彼女が、オリンピック出場のチャンスを、なぜ自分から手放すのか、と疑問に思いますよね?
というのも、プロフィールにあるように、彼女は2017年に女の子を出産。
バリバリ現役のママさんアスリートなのです!
家事に育児、そして自身はプロテニス選手として活躍されており、女性として、ママとして、とても憧れる存在です。
小さい子供を抱えながらの大会参加は、自分の事だけでなく、家族の健康、移動、資金面、不在中の育児問題など、いろいろな問題があると思います。
オリンピックは、開催国への長距離移動や体調管理など、特に注意が必要であり、家族がいる選手にとっては参加するかどうかも慎重な判断が必要です。
このように、自分だけでなく、家庭を第一に考えて不参加を選ぶ選手も、実はたくさんいるようです。
自分たちと同じように、選手の皆さんにも「暮らし」があるということを忘れてはいけませんね!
オリンピック不参加国の理由は?
オリンピック不参加国の多くは、「選手の健康を守るため」を辞退の理由として挙げていました。
個人で参加を見送った選手も同じ理由か、「個人的な理由により」として、理由を明確にしていない場合が多かったです。
私的には今回の場合、オリンピックに不参加でも仕方がないように思えるし、ぶっちゃけ「参加しないのがそんなに悪いの?」と思ってしまいます。
参加するかしないかは、国や個人の自由だし、「出ないって言うなら、それで良くない?」と考えてしまうのですが…。
そこまで不参加国が話題として取り上げられるのには何か理由があるのでしょうか?
実はこの問題、「オリンピック憲章(けんしょう)」というものが大きく関わってくるんです。
- オリンピック憲章とは何か
- オリンピックに不参加だと何が問題なのか
- IOCやNOCってどういう意味か
オリンピックとは、そもそもなぜ開かれるようになった大会なのか、歴史をたどりながらこの問題について考えてみます!
日本オリンピック委員会(JOC)は「オリンピック憲章」を下記のように定めています。
オリンピック憲章は、国際オリンピック委員会(IOC)によって採択されたオリンピズムの根本原則、規則、付属細則を成文化したものです。憲章はオリンピック・ムーブメントの組織、活動、運用の基準であり、かつオリンピック競技大会の開催の条件を定めるものです。
つまり、IOCによって決められたオリンピックのあるべき姿を守るため、文章にして規則を表したものが「オリンピック憲章(けんしょう)」です!
IOCやNOCの意味については、このあと詳しく解説しているので、知らない方は先にそちらを読んでみて下さい♪
オリンピックはスポーツから国を超えた友情や連帯感を作り、平和でより良い世界を実現することが目的であるとされています。
オリンピック憲章(けんしょう)にはこの理念が引き継がれ、言葉として明確に書かれているんです。
今回の不参加国である北朝鮮を例にあげると、オリンピック検証の一部「NOCは五輪に選手を派遣し、参加する義務がある」という部分が関わってきます。
参加することで平和と友好を示す意味もあり、その場に不参加だったという行為は、「オリンピック憲章」に反する、という判断になったようです。
北朝鮮は、今回不参加だったことにより、2022年末までのオリンピック出場資格停止処分を受けています。
健康を守るためであり、悪意はなかったと感じますが、今回の1件によって「オリンピック憲章」はかなり強い効力があるものなんだと感じました。
歴史と伝統あるスポーツの祭典が、現代まで開催され続ける理由は、この憲章があるおかげだったんですね!
私は国際的なニュースに疎(うと)く、こういうローマ字3つ系の単語が出てきただけですぐバラエティ番組にチャンネルを切り換えがちです。
聞いたことはあるけど、意味はわからない専門用語って結構ありますよね!
IOC(アイオーシー)とは、国際オリンピック委員会のことを指します。
1984年に設立され、現在のオリンピックの開催を担当している組織です。
2021年現在は、トーマスバッハ氏が会長を務めています。
「バッハ会長」と呼ばれているのが、テレビ等でもよく聞こえてきましたね!
そして、NOC(エヌオーシー)とは国内オリンピック委員会のことを指します。
国際オリンピック委員会(IOC)に参加している国が組織する、国内のオリンピック委員会のことです。
日本ではJOC(日本オリンピック委員会)という名前で組織されています!
NOCがある国は、国ごとに1名IOC委員が任命されます。
何か決め事がある時は、各国のIOC委員が集まってIOC総会を開催。ここで決められたことが優先的にオリンピックへ反映されていきます。
こうやって関係値がわかると、単語の意味も理解しやすいですね♪
今回は簡単に説明しましたが、本当はもっと細かく組織が分けられているので、興味を持った方は是非調べてみてください!
- IOC…国際オリンピック委員会
- NOC…国内オリンピック委員会
- JOC…日本オリンピック委員会
オリンピックの不参加国パラリンピックはどう?
東京パラリンピックの不参加国は、北朝鮮とギニア(西アフリカ)の2カ国でした。
東京オリンピック同様、不参加を希望していたのは北朝鮮のみでしたが、7月になってギニアも不参加の意思を表明しました。
どちらの国も「選手の健康を守るため」を理由としています。
その他に、下記の理由による不参加国が、合計21カ国ありました。
- 出場停止(4ヶ国)
- 参加に該当するアスリートのいない国(4ヶ国)
- 渡航制限(4ヶ国)
- 政府の方針によるもの(4ヶ国)
- アスリート自身の判断によるもの(2ヶ国)
- 政情不安(3ヶ国)
オリンピックと違い、該当選手がいない為不参加ということもあるようです。
今回の東京パラリンピック参加国数は、明確にはされていませんが、わかっているだけでも168の国と地域が出場枠を獲得しています。
不参加国がかなりあるように感じますが、実はパラリンピックの中でも過去一多い、国と地域が参加しているんです!
パラリンピックは、IPC(国際パラリンピック委員会)が主催しています。
IPCに参加する各国の委員会は、NPC(国内パラリンピック委員会)と呼ばれています。
先ほど解説した、IOCとNOCの関係とほぼ一緒ですね♪
いつも、オリンピックの後にパラリンピックが開催され、なんとなく同じ組織が主催していると思われがちですが、実は別の組織が運営する大会なんです。
なので、オリンピックとはマークも別なんですよ♪
今回、東京オリンピック延期と同時に、パラリンピックも開催の延期が決まりました。
「必ずオリンピックの後にパラリンピックを開く」と、IOCとIPCが協定を結んでいるからです。
この協定では次のようなことも決められています。
- IOCがパラリンピックも担当すること
- 可能な限りオリンピック会場をパラリンピックでも使うこと
- IOCがIPCに資金援助をすること
協定の内容は何度も更新されて、援助額を毎年増やすなど、両者の絆は年々深まっているようです。
まとめ
- 東京2020オリンピックの不参加国は、結果的に北朝鮮1国のみ
- チームとして不参加だったのは、飛び込み、野球、陸上リレーの3種目で合計9ヶ国
- 個人として不参加だったのは、男女テニスや男子ゴルフ、障害馬術などの競技で複数名
- オリンピック不参加国の多くは、「選手の健康を守るため」が辞退の理由
- 個人で参加を見送った選手は、不参加理由を明確にしていない場合もある
- パラリンピックの不参加国も数十カ国ある
今回は、オリンピックの不参加国に焦点を当てて検証してみました。
正直「オリンピックは7年に一度開かれるスポーツのお祭り」くらいにしか思っていませんでした。
しかし調べてみるうちに、国や地域、選手の家庭環境を考えると、もっと深く意味のある大会だと気がつきました!
まだまだオリンピックの歴史についても、知らないことがたくさんありそうです。
過去の不参加国が、今後開かれるオリンピックでどんな動きをしていくのか?
選手の経歴や家庭環境などにも目を向けていくと、さらにオリンピックを楽しむことができそうですね!
これまでオリンピックの話題に興味がなかった方にも、ためになる記事になっていたら嬉しいです♪
次回のオリンピック前に、ぜひまた読み返してみてください!
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