普段から、仕事や大人同士の付き合いでも使う機会が多い「承知いたしました」という言葉ですが…。実際は、どのような時に使う事が正しいのか知っていますか?
私も、堅苦しい感じがするな~と思いながら使ってしまう事があって、正しい使い方が出来ているのかヒヤヒヤ(笑)
大人になって正しい敬語が使えていないと、色々なシーンで恥をかいてしまいますよね。
敬語に、「尊敬語(そんけいご)」「謙譲語(けんじょうご)」「丁寧語(ていねいご)」がある事は何となく知っていますよね?!
そもそも、敬語の理解があやふやだと「承知いたしました」も正しく使う事ができません。今さら人には聞けない基本的な事も分かりやすく説明します!
敬語を正しく理解して、自信を持って「承知いたしました」を使える人になれたらいいですよね♪
承知いたしましたは正しい敬語なの?
日本語には、人間関係によって敬意を表す時に使う「敬語」という言葉づかいがあります。
更に、「敬語」は大きく分けると「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つに分ける事ができます。
「承知いたしました」は、この中の「謙譲語」になるので正しい敬語です!学生時代に習った敬語ですが、記憶があいまいだったり忘れていたりしますよね(笑)
そこで、復習も兼ねて大人として恥をかかない為にも、正しい「敬語」について学んでおきたいと思います。
尊敬語について
目上の人を敬う(うやまう)気持ちが表現できる言葉です。相手を持ち上げるような表現で相手を立てる為に使います。尊敬語は、相手の行為について使用する言葉です。
- [する] なさる、される
- [言う] おっしゃる、言われる
- [行く] いらっしゃる、おいでになる
- [見る] ご覧になる
- [食べる] 召し上がる、おあがりになる
- [わかる] ご理解いただく、おわかりになる
謙譲語について
尊敬語と同じく、目上の人を敬う気持ちが表現できる言葉です。尊敬語との違いは、相手を持ち上げるのではなく、自分がへり下るような表現で相手を立てる為に使います。
謙譲語は、自分の行為について使用する言葉です。
- [する] いたす、させていただく
- [言う] 申す、申し上げる
- [行く] うかがう、参る
- [見る] 拝見する
- [食べる] いただく、頂戴する
- [わかる] 承知する、かしこまる
丁寧語について
言葉の通り、丁寧な言葉を使って相手に敬う気持ちを表す言葉です。誰の行為にでも使う事ができ、また行為以外の物事に対して美しく表現する為に使う事もあります。
- [する] します
- [言う] 言います
- [行く] 行きます
- [見る] 見ます
- [食べる] 食べます
- [わかる] わかりました
- [物事につける] お料理、お手紙、ご意見、ご利用など
詳しく分類してみると、「承知いたしました」は謙譲語と丁寧語で作られた言葉だという事が分かります。「承知する」と「いたす」は謙譲語、「しました」は丁寧語です。
これによって「承知いたしました」は、謙譲語を丁寧に表現した正しい敬語だという事になります。
このように敬語をきちんと理解していれば、どんなシーンでも正しい日本語で対応する事ができます。
相手に失礼なく気持ちの良い会話ができれば、良い関係作りをする事ができそうですね♪
承知いたしましたに正しい使い方はあるの?
敬語をきちんと理解した上で、正しい使い方をする為のポイントが3つあります。ポイントを押さえておけば、正しいシーンで使えるようになります。
敬語は、敬う相手や目上の方に対して使います。主に、仕事のシーンで使う事が多いのではないでしょうか?
取引先や、職場の上司に対して「分かりました。引き受けます。」の代わりに「承知いたしました」を使う事は正しい使い方ですね。
ただ、目上の方でも相手との関係によっては「承知いたしました」だと少し堅苦しく感じられてしまう事もあります。
もちろん、お客さまやかなり上の立場にある上司などへは「いたしました」を使った方が間違いないです!
でも、同じ職場でちょっとだけ先輩の上司などには「承知しました」が適しています。
「いたす」を抜いて使った方が少し柔らかく感じられ、良い関係を保つ事ができる場合もあるのです。
目上だからといって、誰にでも「承知いたしました」を使うのではなく、自分と相手の関係を考えて使う事が大切です。
職場以外でも、子供が通う学校の先生に対してや地域で関わる方など使うシーンはありますよね。「承知いたしました」と「承知しました」で、与える印象も変わります。
相手との関係を見極めて、使い分けられると良いですね!
「承知」という言葉の正しい意味を知っておく事が大切です。「承知」には、事情などを知って理解する事、依頼や要求を聞き入れるというような意味があります。
ついつい、「分かりました!」の代わりに使いたくなってしまいますが、それでは誤解を招いてしまう場合があるのです。
相手の話を聞き理解して受け入れるという意味を持つので、受け入れられない場合には言い換えが必要です。
例えば、何かを頼まれた時に内容の理解はできても自分では引き受けられない時などです。
「承知いたしました」は、あくまでも内容を理解して受け入れられる場合に使用する言葉です。
使い方を間違えてしまうと、相手から「引き受けてくれると言ったのに…。」と誤解を招く事になる場合もあるので注意が必要です。
会話以外に、メールや手紙のやり取りでも「承知いたしました」を使う機会は多いですよね。そんな時、「いたしました」をひらがな表記か漢字表記で迷いませんか?
私は、その前後の文章をみて雰囲気でひらがなにしたり漢字にしたりしていました(笑)でも、きちんとした使い分けの意味があったのです!
使い分けるポイントは、「いたしました」を単独の動詞として使うのか補助動詞として使うのかです。
動詞は物事の動作・作用・存在などをあらわす言葉ですが、補助動詞は動詞が本来の意味としてではなく、直前の文節に意味を添える動詞です。
そして「いたしました」を補助動詞として使う場合は、ひらがなで表記します。逆に動詞として使用する場合は、「致しました」と漢字表記にします。
これを踏まえると「承知いたしました」とひらがな表記をする方が正しいという事になります。分かりやすく具体例をあげてみます。
ひらがな表記の例
- 承知いたしました
- ご迷惑をおかけいたしました
- よろしくお願いいたします
- 感謝いたします
漢字表記の例
- ご連絡を致しました
- 私達が致しました
- 週末に致します
- 予定通りに致します
動詞として使う場合は抜いてしまうと文の意味が伝わらなくなってしまいます。このように、ひらがな表記と漢字表記の使い方にはとても重要な役割があるのです。
承知いたしましたは正しい別の言い方があるの?
「承知いたしました」以外にも、分かりましたという気持ちを表わす別の言い方はいくつかあります。しかし、言葉の意味には少しずつ違いがあります。
「承知いたしました」も、使う相手や使う場面によって正しい使い分けが必要です。
それぞれの意味を理解しておけば、正しい別の言い方を使いこなせるようになりますよ♪
了解しました
「了解」には、物事の内容や事情を理解することという意味があります。つまり、理解しましたと伝えたい場面に適しています。
ただし、「了解しました」は謙譲語ではなく丁寧語です。目上の人に使う事は避けた方が良いとされています。
場合によっては、「了解いたしました」と謙譲語を使用すれば問題ないとされている事もあるようです。
「了解」という言葉自体は、上の立場から許可を認める時に使う言葉とも言われているので使う相手に気をつけなくてはなりません。
了承しました
「了承」には「了解」よりも、更に強く理解するという意味があります。
「了承しました」も丁寧語になります。聞いてあげますよというニュアンスが強いので、同じ立場の人や目下の人に使います。
「了承いたしました」と謙譲語を使っても、「了承」という敬語は目上の人に対して失礼だと感じられています。
「それでいいですよ!」というような上から物を言う表現が含まれるので、目上の人には「承知いたしました」を使う事がおすすめです。
かしこまりました
相手からの指示を受け入れる時に使う敬語です。目上の人に強く敬う気持ちを表わす事ができる言葉です。
物事の事情をきちんと理解して、その事に従いますという気持ちを相手に伝える事ができます。
大事な仕事先やお客さま、かなり上のポジションにいる上司などに使う事が良いとされています。
「承知いたしました」よりも、相手の指示を喜んで受け入れますというニュアンスが強く感じられます。
相手を上に置く表現となるので、場合によっては距離を感じさせてしまう事があるので注意が必要です。
まとめ
- 「承知いたしました」は正しい敬語表現
- 敬語は大きく3つに分類される
- 「承知いたしました」は使う相手や状況によって別の言い方に変える
- 「承知いたしました」を表記する時には注意が必要
分かりました!という意思を伝える言葉だけでも、いろいろな表現があります。それぞれの言葉をきちんと理解する事で、正しい敬語が色々な場面で使えるようになるのです!
また、メールや手紙など文面にする場合は、ひらがなと漢字で使い分ける必要があります。正しい使い分け方を学んでおけば、恥をかくことはありません!!
正しい敬語で相手と気持ちの良いやり取りができれば、その後も良い関係が築けること間違いなしです!是非役立てて下さい!
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